理事長あいさつ

理事長 片野 光男

学校法人福岡女学院理事長 片野 光男

世代を超えた学生が共に生活し学ぶ福岡女学院:「ジェンダーギャップ」を乗り越えるための人材育成を目指して

 138年前、米国のギール宣教師によって福岡の地に撒かれた一粒の種(キリスト教精神を基盤とする女子教育)は、現在、幼稚園・中高・大学短大・看護大学・大学院からなる総合・連携学院へと成長しています。少子化の中、女子教育を中心とした総合学院であり続ける意味は大きく二つあります。
 一つは、総合学院としての意義です。われわれは間柄的な生き物であり世代を超えた共存生活はどの世代にとっても必要でしょう。しかし、この共存生活が特に若い世代で体験しにくい社会になってきています。福岡女学院は単なる学校の集まりではなく、世代を超えた学生・教職員たちと共存を体験しながら共に日々の学びを深めることができる町(ミッションタウン)なのです。
 二つ目は、女子学校であることの意味です。138年前女子教育の種を蒔いた時とは違い女子と男子における教育格差は無いと言って良い時代になりました。しかし、一歩、社会に踏み出せば、否応無くジェンダーギャップ(男女格差)を実感することになります。 共学の学生生活においてもジェンダーギャップはあるかもしれません。しかし女子学校の学生生活は、学校行事、学内規則、サークルなどで女性主導での運営体験を積むことで自立し、彼らがこれからの人生を歩んで行くために必要な、ジェンダーギャップを乗り越える力が育つと信じています。社会における格差が小さくなれば、本来の意味での男女平等、LGBTQ等の重要な問題に取り組む成熟した社会作りに貢献できると考えています。

 最後に、学院がキリスト教主義の学校であることの意味をお話したいと思います。学院は「あなたがして欲しいように、他の人にもそのようにしなさい」という「隣人への愛」を教育の中心に置いた学校です。われわれは人生において、様々な不都合なことに出会いながら、人々や社会の支援を受け、また自分自身も他の人の助けとなって生きてゆきます。しかし、目に見える言葉や支援では解決できないことも少なくありません。そんな時、目には見えないけれども大切なものや存在があり、それらがわれわれを支えているということに気づいて欲しいのです。隣人への愛を示す為にまず、不完全な自分自身を受け入れ、愛して欲しいと思っているのです。

 福岡女学院は、より多くの社会貢献を希求し、懸命に誠実に学生の教育を通して学生も教職員も共に成長する学校教育に邁進いたします。
 


2023年4月
学校法人 福岡女学院
理事長 片野 光男

院長あいさつ

理事長 片野 光男

学校法人福岡女学院院長 阿久戸 光晴

柔軟な判断力と絆の形成のできる人作り、
これが本学院の教育方針です。

 中高を基盤として発展した福岡女学院は今年創立138周年を迎えます。学院聖句「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。」は、ぶどうは、各学校であり、それぞれの教育の理念の基に教育を行っていますが、学院という幹につながることにも通じていると考えます。
 学院は、総合学院として、園児、生徒、学生が共に学んでおり「イエス・キリストにつながれて、愛をもって神を畏れ隣人と共に生き、豊かに実を結ぶ人間」となることを願って、教職員が情熱をもって共に励んでまいります。しかも、木は枝の働きを求めます。各学校と園児、生徒、学生は正にイエス様の枝の役割をしています。

  現在新型コロナウィルス感染症によるオンライン授業等は、これからも教育の形態の一つとして、発展していくことでしょう。SNS等多くの情報があふれる社会ですが、それゆえにかえって生きづらさを感じることもあるでしょう。真実を見極めることができる知恵を養い、平和の秩序のもと各人が知性を磨き、キリスト教的素養のもとグローバル言語としての英語を駆使しつつ女性の一生を見据えたキャリア教育を受け、柔軟な判断力と絆の形成のできる人作り、これが本学院の教育方針です。今の社会に必要な教育がここにあります。 皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

2023年 4月
学校法人 福岡女学院
院長 阿久戸 光晴