理事長あいさつ

学校法人福岡女学院理事長 片野 光男

学生も教職員も共に成長する学院:
あなたがして欲しいように、他の人にもそのようにしなさい

 137年前、米国のギール宣教師によって福岡の地に撒かれた一粒の種(キリスト教精神を基盤とする女子教育)は、キリスト教禁止令、第二次世界大戦、福岡大空襲による学校焼失など幾多の波乱に満ちた年月を経て、学生数4000名を越える総合学院(幼稚園・中学・高校・短大・大学・大学院・看護大学)へと成長しています。
 そして、2022年度には明日の時代を担う中・高生育成のために「あらゆる災害に対応可能な多機能新校舎の建設」、2023年度には時代の変化に対応可能な看護教員養成のために「看護大学に大学院設置」と社会貢献の道を「開き」続けてまいります。
 また、本年度より第2期中期計画がスタートします。他との競争ではなく「なくてはならない総合学院」を合言葉にさらなる成長を目指します。具体的には、「各学校の連携を意識した総合学院としてのブランド力の創生」「社会環境の変化に対応可能な教育システムの整備」を目標の柱にしています。

 何よりお伝えしたいことは、先人達が作り上げてきた見える姿の内に息づいている「なぜ福岡県最初の女学校を作ったのか」「なぜセーラー服が生まれたのか」「なぜ反米・反日の中でキリスト教学校が存在できたのか」「なぜ校舎の全焼から復興できたのか」「なぜ福岡市唯一の私立女子大学を作ったのか」「なぜ幼稚園から大学までを擁する一大総合学院ができたのか」という「思い」です。私は、その「思い」を「あなたがして欲しいように、他の人にもそのようにしなさい」というふうに感じています。そして、この「時を繋いできた思い」こそが学院の宝だとしみじみ感じています。

 この「思い」を繋いでゆくために、「我々学生と教職員は、志高く、身を整え、敬いをもって毎日キャンパスの門をくぐりましょう。門を入る時、出る時は、空を見上げるようにしましょう。門を入ったら、心の時間軸を長めに調整することに努めましょう。そして、道や建物の中では、顔を上げ、胸を張って、中央ではなく、端を颯爽と歩くよう意識しましょう。」
 先人達の「思い」を胸に、より多くの社会貢献を希求し、懸命に誠実に学生の教育を通して学生も教職員も共に成長する学校教育に邁進いたします。
 

2022年4月
学校法人 福岡女学院
理事長 片野 光男

院長あいさつ

学校法人福岡女学院院長 阿久戸 光晴

柔軟な判断力と絆の形成のできる人作り、
これが本学院の教育方針です。

 創立135周年を迎える福岡女学院の各校をまとめる大きな責務を寺園前院長から引継ぎました。大した業績もない私ですが、神のご経綸にお応えしたい思いは強く持っております。

 福岡女学院自体、有り余る潤沢な資金の中から生まれ出た学校ではなく、神の御旨に応えるべく、限られた財源を天与の知恵を用いつつ、学生・生徒・園児らへの情熱的教育を教職員各人が発揮しつつ歩んで参りました。この方向を今後更に伸ばしていきます。

 現在新型コロナウィルスが猛威を振るっておりますが、私たち人類はこのような感染をもたらす病原菌と戦ってきました。その戦いの中で私たちの先達は、衛生環境の飛躍的向上やワクチンの開発など多くのことを学んできました。今回のウィルスから学ぶべきことは何でしょうか。第一に押印文化の見直しに象徴される「遠隔地でも意思疎通が可能となるIT文化に親しむ課題」です。第二にヴォランティアの方法の劇的変化を伴う「地方文化の復権」です。しかし今回のコロナ禍で私たちは逆説的ながら「絆の重要性」こそ学んだのではないでしょうか。ちなみに今は、かつての日本やアルバニアのように「鎖国」体制でやって行ける国など皆無です。平和の秩序のもと「貿易立国」でやって行くしかない時代です。各人が知性を磨き、世界の倫理基準としてのキリスト教的素養のもとグローバル言語としての英語を駆使しつつ体験学習としてのキャリア開発教育を受け、柔軟な判断力と絆の形成のできる人作り、これが本学院の教育方針です。

2021年 4月
学校法人 福岡女学院
院長 阿久戸 光晴