2021.04.28

5月号:女学院生にするために

4月12日に、中学校1年生のみなさんに「校章授与式」を行いました。
発達段階を考えると中1という年代は、自我に目覚め、独立の欲求が高まる時期です。さらに、自己内省をするようにもなります。そのこともみなさんを「女学院生にする」要因となります。しかし、この時期、自分の気にしていることを他人から指摘されると動揺し、自信を失い、自己嫌悪に陥ることがあるのも特徴です。学習面の小中の違いもさることながら、部活動では先輩後輩という新たな人間関係に直面し、プレッシャーもあるかもしれません。このような壁のことを「学校種の壁」、「人間関係の壁」と言ったりします。どちらの壁も越えられるように私たちはしっかり支援していくつもりです。
さて、このような不安やプレッシャーを除くために必要なことは何でしょうか?もちろん個のパーソナリティーの部分も多少はありますが、実はそれは本当に少しです。一番大きな要因になるのは、“人とのつながり”という人的環境による部分です。そのための“校章”でもあります。10年後、20年後にみなさんと同じように校章を授与される後輩のためにもみなさんのこれからが大切になります。これも“人とのつながり”です。一緒にこれからの福岡女学院をつくっていきましょう。
そして、いいクラスをみなさんの力で主体的に協働的につくってほしいと思います。
クラスづくりとは ①お互いをよく知る ②異質を認め合う ③成長しあう関係をつくる ことです。そのためには「あなたが大切だ」という“価値あるメッセージ”を友だちに発信してほしいと思います。人からそれを繰り返し受け取ることが自身の成長につながります。たった一言「がんばっているね」と認めてもらったり、「ありがとう」と感謝されたりするだけで、必ずお互いの成長につながるのです。「“価値あるメッセージ”の送り手になれているか」という問いをもち続けることは、必ず「自分よし 相手よし みんなよし」につながります。これがクラスづくりの本質です。「このメンバーで一緒に学ぶのが楽しい」、「このメンバーで学び合うから学力も向上する」、といった実感をみなさん一人一人がもてるようなクラスづくりを目指してほしいと思います。
最後に、「優れた学校教育で進歩している学校」は、生徒の身のこなしや表情が柔らかく、自然な笑顔が見られ、全体として穏やかで静かな学校といわれます。みなさんよろしくお願いします。