本年度より、第21代校長を拝命しました、重枝一郎(しげえだいちろう)といいます。これから福岡女学院中高の校長として、生徒のみなさんの青春の情熱を燃やせる学校づくりをしていきます。
さて、新学習指導要領に関する中教審の答申に、「予測できない変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、自らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となっていけるようにすることが重要である」という一節があります。
これはもちろん未来をつくる生徒像ですが、私たち教師がそのような学びの場にしなければ、生徒の足を引っ張ってしまうことになると思っています。私は「変化から進化」をパワーフレーズにしていきたいと考えています。
生徒のみなさんにも先生方にも、まず自身の「あり方・生き方」を今一度考えてもらいたいと思っています。自分自身が「かっこいい」と感じる人になってもらいたい。「かっこいい人」の定義は、「自分のことばかりでなく、まわりの人のことを考えられる人」「前例がなくても“やったらいける”と考えられる人」です。集団には、「指示されたことしかやりたくない」「やっても無駄」「自分さえよければそれでいい」と考えている人もいます。そして、その感情は学校全体に伝染していきます。
この考え方の差はなぜ生まれるのかを考えたとき、私は、それは、「やったらできた」という経験の量に比例すると思っています。よって、生徒の考えを引き出し、伝えさせ、まわりから良い反応を得るという成功体験を積ませ、生徒自身が先の未来を強く生きていけるようにしていきたいと思います。
聖書の中に、「鉄は鉄をとぐ。そのように人はその友の顔をとぐ」という言葉があります。共に磨き合える人との付き合い方を意味する名言です。私も「人は人で磨かれる」と、これまで関わった生徒によく話していました。幼稚園、中高、短大、大学がある、この多様性のある女学院の中で、そのような風土が、より醸成されるようにしていきたいと思います。それが生徒の可能性を広げることにもつながるからです。
私自身のこれまでのキャリアを考えると、多くの特命(荒れた学校の立て直し、民間企業の活性化、市立高校の活性化、様々な学校・地域の困難な事案に対する指導・支援等)が私自身のやる気の源であったように思います。私は、「誰かのために」という感覚が好きです。そして、ステークホルダーと良好な関係を築き、そこにある伝統を継承しながら、新しい文化の創造を目指すことが好きです。本校を取り巻く人や、環境、思想、価値観など、関わるすべてのものを大切に思うことから感動や希望、交流が生まれると考えています。この「リスペクトの精神」はすべての根幹をなす価値観と思っています。貴校勤務においても、私のこれまでの多くの多様な経験が生きると考えています。
聖書の中に、「私たちは与えられた恵みによって、それぞれ異なった賜物(カリスマ)をもっている」という言葉があります。私にも神様から与えられた才能があると思います。それは、本校でのこれからに生かしていけるものであると思っています。
2021.04.08