「今回の人権学習では、劇を作ってもらいます。」
いつもとは少し違った人権学習に、生徒はワクワク。
「劇」を通して、今回は2つの人権課題「部落差別」「障がい者差別」について考える授業を行いました。
先生から提示された場面にグループ毎に生徒たちが台詞を作成し、シナリオを完成させ、それを「劇」として発表します。
実際に人権が脅かされている状況のシナリオを作成する中で、差別される人の立場や差別する人の立場、それを見ている周りの人の立場など、様々な立場を考え、その人の気持ちを「なりきり体験」をします。
自分ではない「役」になりきることで、人権など様々なことに対する「感じる心」を養うことをねらっています。
ユーモアのある演技に笑いもありましたが、それぞれの立場に立って考えたことにより、他者の気持ちを理解することの難しさや、実際の場面で自分がどのように問題と向き合うべきか、など、人権に対する気付きがそれぞれに与えられたように思います。
「誰かの立場を考えることは難しい。ただ、やっぱり知らないと分からない。分からないと怖い。自分が気付いたら加害者になっていることもある。だからやっぱり知らないといけない。」
最後の振り返りでの先生からの熱いメッセージを生徒たちは真剣な表情で聴き、差別の背景・自分の今までの行動・自分のこれからの行動など様々なことを考えている様子でした。
【生徒の感想より】
・役になりきって演じることは少し恥ずかしいという思いがあったりしたけど、やるからには一生懸命演じようと思って準備・発表に取り組むことができた。耳が聞こえづらい人の気持ちをこんなに考えたのは初めてで、もっとそういう人たちのことを知りたいと思った。
・言葉の言い方や大きさなどで、感じ方が変わってくる。
・表情がマスクで隠れていても、声や動作で分かるのだと思った。
・この人はこれができないと決めつけず、この人はこれもできるかもしれないと可能性を広げることが大切なのだと感じた。
・劇の台詞を考えるときに、グループみんなで話しながら進めていくと、人それぞれちょっとした事に対しての考え方が違うことがわかった。
・実際に障がいをもっている人の気持ちや苦労を全て完璧に理解することは難しいが、理解しようとする気持ちが大切だと感じた
・面白く演じる所もあったが、話自体は現実でもあったことなんだと思い、悲しくなった。
・人の価値観は違うから、多様性ということを日頃から意識したいなと感じた。
・劇の準備をする中で「自分がこの立場だったら・・・」とよく考えるようになった。こんな風に劇をするなどして人権の問題に触れることで、人権の問題を身近な問題として捉えることができた。
・台詞を作る中で、言葉にはたくさんの表現があると知りました。1つの言葉を表現する時、マイナスの言葉で考えるか、プラスの言葉で考えるかだけでも、私達一人ひとりの視野が広くなり、前が明るくなると思いました。
・今回演じたが、もし本当にこのことが起こったら、絶対に戸惑っていたと思った。
2021.12.16