聖書に基づく「大切なひとり」という考えを
土台とした教育を行っています。

自分よし・相手よし・
みんなよし

福岡女学院中学校・高等学校校長重枝 一郎

皆さん一人一人が、激しく加速度的に変化するこれからの社会の中で人生を切り拓いて行くために、ひとつの言葉を贈ります。それは、「自分よし・相手よし・みんなよし」という言葉です。 この「三方よし」の精神は、人と多く関わる学校において、何回も何回も、自分の身体を通しながら、学ぶことができると思います。聖書の中に「鉄は鉄をとぐ。そのように人はその友の顔をとぐ」という、共に磨き合える人との付き合い方を意味する言葉があります。
本学院には幼稚園・中高・短大・大学・大学院があります。この多様性のある女学院の中で、そのような風土がより醸成されるようにしていきたいと思います。みなさんは、その中で「三方よし」の精神を磨き上げて下さい。 誠実に、真剣に求める者は、本物を手にすることができ、必ず、美しい輝きが放たれます。いつの時代も、若い世代が大人の描く価値観を乗り越えて成長します。
生徒の皆さんが私達を越えていき、自分達の望むような未来を創り出し、実現していくこと、そのことを一心に願います。

学院聖句

「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。」
ヨハネによる福音書15章5節
※「わたし」とはイエス・キリストのことです。

この言葉は、福岡女学院が1885年の創立からキリスト教に基づき、”神を畏れ、奉仕に生きる良き社会人としての女性の育成”を叶える上での拠り所としているものです。
「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」で述べられている『つながり』を大切にし、一人ひとりの人生が豊かに実を結ぶように全人教育を実践しています。

シンボルマーク

校章

校章は、まわり三本の線が「十字架」をあらわし、信仰・希望・愛を三本の線で示しています。中のまるは「ぶどう」をあらわし、学院聖句に由来します。
ぶどうの実が、ひとつにつながっていることから、私たちも一人ひとりイエス・キリストにかたく結びついて真の生命を得るという学院の願いを示しています。

学院の象徴 ー いかり

冬制服の胸にある白い錨の刺しゅう。この錨は、信仰の証しを表した讃美歌280番第2節「風いと激しくなみ立つ闇夜も、みもとにいかりをおろして安らわん」の意味を示しています。

伝統のあるセーラー服

この制服の始まりは1920年頃。
機能美に優れた女学院のシンボルです。
父母や生徒から、体操服として和服・袴で運動するのは不便で経費がかかるという声もあり、リー校長が委員長となり欧米各国の服装を調査し参考にしました。1921年にセーラー服の制服を制定し、1922年に着用、翌1923年から明るい空色ギンガムの半袖白の玉ライン、黒絹のネクタイという夏制服を着用し始めました。これが全国的に知れわたり社会的な要求もあって多くの公私立女学校が本校の制服をモデルとするようになったと言われています。制服に合わせてベレー風の帽子も設定され、スマートなミッションスタイルが市民の目を引いたそうです。

建学の精神Spirit

イエス・キリストにつながり他者への愛と奉仕の精神を持ち、自ら働きかける女性を育成する。

福岡女学院はキリスト教女子教育を建学の精神に持ち、人間は神に愛された存在であり、また他者も同様にかけがえのない存在であるという人間観に基づいた言葉「大切なひとり」を掲げながら、いつの時代も社会に向かって何をなすべきかを問うような女性の育成に努めています。

女学院の教育Policy

1885年に始まった福岡女学院の歴史は、多くの自立する女性を輩出することの積み重ねから成り立っています。
中学から大学まで、社会を生きぬく力をしっかり身につけ、女性が美しく輝ける教育を行います。

教育の3つの柱

キリスト教主義に基づいた
「大切なひとり」として育てる教育

  • 普遍的な価値観を身につける
  • 礼拝や宗教行事を通じて「大切なひとり」としての自分と他者を知る
  • 地域や国際社会に奉仕する創造的・有能な生徒を育てる

大切なひとりがつながり
世界へとひろがる教育

  • 国語・英語・芸術(美術・音楽)など表現活動を重視したカリキュラム
  • 多様な学問領域を学ぶ
  • 調和の取れた総合力のある生徒を育てる
  • ボランティア活動や体験学習(海外留学や大学講義)に参加する
  • 広大で緑豊かな自然環境と充実した教育設備のもとでの教育

大切なひとりを
未来へつなげる教育

  • 目標設定や課題設定を自ら考え、知的好奇心・探究心にあふれた生徒を育てる
  • コミュニケーション力を磨く
  • 大学入学共通テスト、新学習指導要領に対応した確かな進路保証を実現する
  • 系列大学への進学により高等教育に接続する
  • 英語4技能を伸ばすと同時に、グローバルな視野を身につける
  • 「凜として花一輪プロジェクト」の取り組みを通して、21世紀型能力の習得を目指す

女学院の歴史History

※1 メイクイーン・メイポールダンス
エリザベス・リー校長が生み出した名物行事。
毎年、創立記念日である5月18日頃に行われる。
1885創立。米国メソジスト監督教会から派遣された宣教師ジェニー・ギールが初代校長就任
1888天神町の新校舎へ移転
1912福岡英和女学校と改称
1915最初の葡萄の校章制定
1916メイクイーン・メイポールダンスがスタート(※1)
1917私立福岡女学校と改称
1919薬院新校舎落成、移転。福岡女学校と改称
1921セーラー服を制服に制定
1937ヘレン・ケラーが来校
1941現在の校章制定
1945空襲により校舎焼失/終戦
1947新制中学校設置
1948新制高等学校設置認可。法人名、学校名を福岡女学院と改称
1955曰佐新校地に幼稚園開園
1960曰佐新校舎完成、移転
1963高等学校音楽科開設
1964福岡女学院短期大学開設
1985創立100周年
1990小郡市に福岡女学院大学開設。 生涯学習センター開設
2002曰佐に福岡女学院大学キャンパスを移転、統合市民の学びの場・天神サテライト開設(現在は閉鎖)
2003福岡女学院大学大学院人文科学研究科開設
2007パイプオルガン完成
2008古賀市に福岡女学院看護大学開設
2023創立138周年