002【前期】特別講座:教養・万葉の歌と心 第1講・第2講

【第一講:5/14】 歓びの歌―志貴皇子の息吹き―
白鳳万葉時代に生きた志貴皇子の「石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」(巻8・一四一八)の歌を読んでみましょう。ご覧のように上句では助詞「の」を畳みこみ、下句では「さわらびの」以下、一気にうたい結ぶ力強さがあります。うたわれるのは春の躍動そのもので、たしかに「秀歌」というべきでしょう。ところで、この志貴皇子の感性が、はるかユーラシア大陸の西の端、北欧古代の人びとのそれと、しっかりつながっているといえば、いささか強弁に過ぎるでしょうか。志貴皇子の生涯にもふれながら、万葉の歌と心を明らかにしたいと思います。【第二講:7/9】 清冽な水辺で―大伴旅人の松浦遊覧の歌―
天平時代初期、大宰帥(鎮西大宰府の長官)だった大伴旅人は、肥前国松浦郡(現在の佐賀県唐津市周辺)に小旅行をしています。その折の作である「松浦川に遊ぶ序」とそれに続く「松浦なる玉島川に鮎釣ると立たせる児らが家道知らずも」(巻5・八五六)ほかの連作を鑑賞します。どうやら旅人は、現地ルポとしてこれらの歌をうたったわけではなさそうです。あわせて『文選』をはじめとする海彼の作品も視野に入れて、当時の文人たちの間で流行っていた「河洛神女」の文学も味わいましょう。
※【第3講】10/8、【第4講】12/10につきましては、受付が9月頃となります。
講座の詳細

講師 | 東 茂美/福岡女学院大学 名誉教授・文学博士 |
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講座形式 | 対面 |
開講日 | 第1講:5/14 第2講:7/9 ※【第1講】【第2講】の1日だけの受講もお選びいただけます。1日だけ受講される場合は講座申込フォームの備考欄に希望の日程をご記入ください。 |
開講曜日 | 水曜 |
開講時間 | 13:30~15:00 |
受講料 | 各2,000円 【第1講+第2講】4,000円 ※1回のお支払いにつき事務手数料500円かかります(複数講座お申込可)。 |
教材費 | 各200円 【第1講+第2講】400円 |
備考 |
※【第1講】【第2講】の1日だけの受講もお選びいただけます。1日だけ受講される場合は講座申込フォームの備考欄に希望の日程をご記入ください。 ※【第3講】10/8、【第4講】12/10につきましては、受付開始が9月頃となります。 |