福岡女学院大学 人文学部現代文化学科教授キャリア開発教育センター長 本学では、今年度から全学部の1年次でキャリア教育の授業が必修化されました。これは「生きる力」を培う学びの場を設けることを目的としています。 働き方改革やAIの導入など、社会は急速に変化しています。そこに対応していくためには、早期から自分を見つめ、自ら幸せな人生をデザインする力が必要です。キャリア教育の授業は、1年生の全ての学生に、そのきっかけ作りとして、取り組んでほしいと考えています。 キャリア教育において、学生たちには「問い」を持ち続けるよう伝えています。「問い」とは、物事に対する固定観念を捨て、「これでいいのか」、「別の方向からはどう見えるのか」と多角的に考える力のことです。 女性は、様々なライフイベントの際に多くの選択肢に直面します。そうした場面では、「自分のなりたい姿」を見失わずに、それを実現できる方向性を見極めることが大切。この、自分で考えて道を切り開いていく力が「生きる力」になるのです。 この能力を磨くために、グループワークや、先輩学生が講義の補佐をするアシスタント制度などを取り入れ、学びを活性化しています。私がこれまで福岡女学院大学で行ってきたキャリア教育で、特に効果が見られるのが、先輩から後輩へと学びが受け継がれている点です。学生たちは先輩をロールモデル(お手本)としてそこに到達できるよう努力し、実際に到達しています。こういった流れが学内で脈々と受け継がれており、今後も時代の変化に合わせながら継承されていくことと思われます。 このように活発な学びの伝承がある背景には、本学が女子大であるということが寄与しています。 これからの社会は、「女性活躍社会」でなければいけないというのは明白です。そこでは、女性が持つ優れた能力、つまり互いに補完しあう力や、繊細な気付きなどがもっと活かせるようになっていることでしょう。また、AIの時代においても女性の能力は重視されます。物事に対して論理的に結論を出すロジカル1年生からの学びが必要だと考えています。「自分のなりたい姿」をイメージできるかどうか。女性だけの集団だからこそ、磨けるスキルがある。07School Corporation Fukuoka Jo GakuinUniv■sity浮田 英彦成果を出し続けるキャリア教育とは次の時代を生き抜くために自分の人生をデザインする力大学
元のページ ../index.html#8