資料室ジャーナル 第5号
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3階建て、塔屋高さ22m、コンクリート打放し、タイル及びリシン仕上げは素材感があり特色といえるキャンパスの建築計画と特色ヴォーリズ建築事務所の作品として 2育館(雨天体操場)、家政館の設計をすすめ、1919年に完成した建築群がある。主に木造瓦葺き屋根でスタッコ壁あるいは板壁の建築だった。本館は立派な建築、体育館も特色ある建築で、ヴォーリズ初期のキャンパス建築群として注目される。しかし1945年の戦火で失われており、学院史に数葉の写真と共に記録されるばかりとなっている。同時代のヴォーリズ建築には近江八幡にかつての近江サナトリウムの療養施設(1918年)が存続している他には少ない。ヴォーリズ建築事務所によって計画された上曰佐キャンパスの建築は、南北に広がる36,000坪という広大な敷地の中央部に教学の施設群を置き、北ゾー平尾(薬院)キャンパス左より雨天体操場、本館、音楽練習室 (85年史より)本館ンを体育の空間、南にやや離して寄宿舎と住居の空間を配置し、南北に抜ける一直線の歩道で結んだ緑豊かな環境にあった。中央部の教学ゾーンには、高校校舎とそれに接続する講堂、本館とそれに接続する特別教室そして西館、中学教室とそれにつづく体育館からなり、この長大な3棟が並び建ち、各棟が渡廊下で結ばれた極めて明快に配置されたプランニングに大きな特色があった。そして建築デザインの特色は、水平につながる広いガラス窓、ルーフトップの水平線、リズミカルな手摺壁、そして階下の空間を開け放し、出入りを自在にするピロティーの活用など、明るく効率的で装飾的表現を用いないアブストラクトな形態にある。つまり機能的、合理的な計画性を鮮明にした形態であり、自然の光と豊かな空間に満ちたモダニズム建築といえる。こうしたモダニズム建築の起源は1925年、ドイツデッサウのバウハウス校舎にあり、1930年代の欧州に伝わり、米国そして日本に波及するのは1950年代のことで、1960年の上曰佐キャンパスの建築はその波頭の一翼をなすものだった。歴史的なヴォーリズ建築の名作といわれる1920年代末の関西学院キャンパス、1930年代の神戸女学院キャンパス(重要文化財)など、様式的表現をちりばめたスタイリッシュなヴォーリズ建築の表現と比して、1960年の上曰佐キャンパスのモダンに徹したコンクリートのかまぼこ屋根は当時の先端的デザイン中学高校校舎 渡廊下 西館1960年の上曰佐キャンパス

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