自然豊かな保育環境のなかでの「自由な遊び」とキリスト教 ― 福岡女学院幼稚園の理念と保育の方針 ―するこうした姿勢は、福岡女学院幼稚園で毎月作成されてきた『園だより』からも垣間見られる。たとえば、1975年度から1977年度の『園だより』に掲載された月毎の目標には、「生命」・「自然」・「動植物」などの言葉が見受けられる。自然のなかで自由に遊〔表〕『園だより』(1975~1977年度)に掲載された月毎の目標年度3.豊かな自然にあふれた園庭と「自由な遊び」 開園以来、保育において自然とのかかわりを重視1975年度〔4月〕園はたのしいところでいることを知る/神様はみんなを守っていて下さることを知らせる、〔5月〕生命の誕生や成長に関心を持つ/健康に関心をもちからだを大切にする/人のためにも祈れるようになる、〔6月〕身近な動植物と私たちの成長を通して神様の大きな愛を感じさせる/リズムや歌のある生活を楽しむ、〔7・8月〕楽しい遊びの中でも他の人のことを考える/喜んでお手伝いをする/夏の自然現象に気づく、〔9月〕愛と恵の中にある自分を見出す/自分の力がみんなのために役立つ喜びを経験させる、 〔10月〕丈夫な体で経験豊かな生活をさせる/みんなですれば大きな働きができることを知らせる/自然の移り変りに気づき親しみをもつようにする、〔11月〕喜びを進んで分ける生活をできるようになる/たくさんの人々に助けられ自分のあることを知り感謝して力いっぱい励む/イエスさまを下さった神に感謝する心を育てる、〔12月〕イエスさまは神からのおくりものであることを知り、私たちも人の喜ぶことをするように導く、〔図〕幼稚園の園舎と園庭(現在)(出典)福岡女学院幼稚園HP(https://www0.fukujo.ac.jp/kinder/overview/)〔2023.5.12 参照〕よりぶことで、身近な自然に関心をもち、生き物の命や成長にふれ、自然の恵みに触れ感謝することをとおして、神の存在に気づき感謝する。この月毎の「目標」からは、豊かな自然にあふれた園庭での「自由な遊び」をとおしてキリスト教保育を実践するという福岡女学院幼稚園の保育像を読み取ることが出来る(表 参照)。月毎に掲げられた目標3
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