資料室ジャーナル
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展示室を見学する看護大学の学生(右は筆者) めた常設展示のほかに、テーマと展示期間を設定した特別展示を2019年度より行っている。 2019年度から2020年5月末日までに開催した特別展示は、創立記念日関係と短期大学および大学開学関係の展示である。創立記念日関係の特別展示として、1985年から1992年の創立記念日に実際に着用されたメイクイーンの衣装を展示した(開催期間:2019年5月13日~5月31日)。福岡女学院では、学校の創立記念日には中学2年生の生徒たちがメイポールダンスを披露し、メイクイーンとともに創立を祝う行事を行ってきた。1916年から現在まで行われているこの行事は、福岡女学院が大切にしてきた伝統ある行事の1つである。そのため、メイクイーンのドレスは在校生と同窓生をつなぐ象徴の1つであるともいえる。創立記念日当日は、在校生の保護者や同窓生、一般の方々など、当日だけでも201名の方々にご来室いただくことができた。 創立記念日の展示室の様子 次に、福岡女学院短期大学および福岡女学院大学の開学に焦点をあてた展示についてである(開催期間:2019年11月28日~2020年5月29日)。福岡女学院は、各種学校の女学校から出発し、戦後は新制の中学校と高等学校となった。短期大学と大学が発足したのはそれぞれ、1964年と1990年である。そのため、限りある福岡女学院アーカイブズの構築に向けた取り組みについて スペースで福岡女学院の創立から現在までの歴史を展示する場合、展示の比重が中学・高等学校の歴史に偏ってしまう傾向にある。また、福岡女学院大学は移転を経験しているため、移転前のキャンパスの歴史を在学生はほとんど知らない状況にある。このような現状をふまえ、特別展示として、短期大学及び大学の歴史に関する展示を行うこととした。展示アンケートでは、「女学院に愛着がわきました」、「残りの大学生活、さらに自分の大学に誇りを持ち過ごしていきたい」という意見を頂いた。 3.今後の課題-150年史編纂にむけて 学院資料室の核となる業務の1つに年史の編纂がある。現在、135年史の編纂と共に学院にとって大きな節目となる150年史の編纂を見据えた史資料の収集・整理等の業務も進めている。 小郡キャンパスの閉鎖に伴う曰佐キャンパスへの全面移転や看護大学の新設など、福岡女学院はここ数十年もの間に大きな改革を行ってきた。その間、日々の営みの中で生産される資料の形態も紙媒体から電子データへと変化を遂げている。こうした史資料をどのように収集、保存し記録を残していくのか、このような課題に取り組みながら、年史編纂も含んだアーカイブズとしての活動をすすめていきたい。 6 福岡女学院資料室ジャーナル 創刊号 (2020年)

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